富士ゼロックスの経験から、e-Learning導入のポイントを挙げると次のようになると思います。
■よりよいコースを選択できる仕組みづくり
通常、ASP形式ではコンテンツの提供元が利用者のデータベースを持ちますが、受講履歴やアンケートはe-Learningのキーとなるところです。そこで、富士ゼロックスはその部分のシステムをまったく手づくりで構築し、過去に受講した人のリストとコースに対する評価を公開しています。
つまり、どのコースが良かったか、どこを改善してほしいかなど、過去の受講者の率直なコメントを参考に、これから受講する人がよりよいコースを選択できるわけです。この仕組みによって、コースの自然淘汰がなされているといえます。
■完了率を高める仕組みづくり
自由選択コースについては、受講者が3か月以内にコースを修了できるよう、事務局から数回のフォローメールを出しており、これをメンタリングと呼んでいます。
特に3日前フォローでは、「ギブアップすると部門付け替えになります」という文面を入れています。このコースの費用は修了すれば教育部門が全額負担することになっていますが、途中で放棄した場合は各部課に付け替えられ、部課が負担する仕組みになっているのです。修了できなければ上司から一言あるでしょうし、これが良い意味でのプレッシャーになっています。
現在、コース完了率は85%弱です。クラスルーム・ラーニングと異なり、拘束力のないe-Learningでこれだけ数字が高いのは、このような仕組みづくりと、何よりもコンピテンシーマネジメントをベースにしたからだといえます。
e-Learningによって、営業部隊のコンピテンシーはわずかではありますがトータルでレベルアップしました。2003年度は営業部門の重点戦略として、人材コンピテンシーレベルの向上を明確に掲げています。専門職制度で1-5に設定したコンピテンシーレベルでは現在、レベル3以上が50%なのですが、これを年度末に62%に、レベル4以上を5.7%から7%、さらには2005年までに17%にすることを目指しており、その手段としてe-Learningを位置づけています。
ただし、コミュニケーションなどのビジネススキルについては、e-Learningではなかなか納得のいくものが得られないのも事実です。今後は、インターパーソナル(対人関係の)分野をさらに充実させていかなければならないと私たちは認識しています。
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