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2003年9月、ロサンゼルスで米国「オンライン・ラーニング・カンファレンス2003」が開催されました。

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今年は出展社数・参加者数が激減したのですが、その背景には米国経済の不安定な状況があります。企業の倒産件数は17,122件、2003年の教育投資額は対前年比で6%(3,000億円)減少していることから、その影響と考えられます。なお、内容的には汎用コンテンツが17%減の3,400億円になったのに対し、カスタマイズドコンテンツが8%増の3,600億円となっています。
2002年と比較すると、セッションのカテゴリーとしてはアセスメント(ROI評価など)や政府/軍、高等教育、標準化というテーマが増え、逆にエンタープライズ・ラーニングやストリーミング・メディアなどが減りました。
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基調講演で興味深かったのは、1つの枠を12人で分担するというものでした。講演時間は1時間なので1人4分30秒しかありません。時間が来るとマイクの音声がフェイドアウトしてしまい、本当に大切なことしか言えないという状況で、これは大変面白いものでした。
たとえば、Click2LearnのCEOであるケビン・コークス氏は、コスト削減に重点を置くことがe-Learning業界最大の失敗だったとし、企業の業績をどう上げるかにもっとフォーカスすべきだと主張しました。ウェイン・ホジンズ氏は小さな標準コンポーネントの可能性を指摘し、それを液体ととらえていました。個人の鋳型に流し込んで使い終わったらまた液体に戻る、という流動的な標準化を提案し、"me-Learning"の時代であると主張したのです。さらに、ジュディ・ブラウン氏はスクリーンいっぱいに"ENOUGH!(もう十分だ!)"と映し出し、LMSの標準化を訴えました。
講演内容には似通ったものもあり、それらを整理してまとめると、基調講演からとくに3つの強いメッセージを読み取ることができました。第1に、現在e-Learningは初期導入ステージの後期に位置しているというメッセージです。これはトロンドセンさんのお話にもあった通り、バラ色の夢からどん底に落ち、これから希望の丘に登り詰めていくという、まさに現在はそうしたステージだということです。
第2のメッセージは標準化です。たとえば、LMSにかかわらず、webにコンテンツを載せてしまった方がインターオペラビリティ(相互運用性)は高いと理解している人たちがおり、現実にそういう動きも出てきています。
そして、第3がパフォーマンス/生産性です。これがe-Learning本来のねらいであり、やはり企業の生産性、成長性を上げなければe-Learningの意味はありません。また、そうでなければe-Learning自体も向上しないといえるでしょう。
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ラーニングの85〜90%は主に業務遂行中(非公式)に行われ、公式なトレーニングで習得された職務知識は10〜15%程度でしかない、ということがセッションで報告されました。しかし、教育投資の大半は公式トレーニングが対象となっています。「ラーニングが行われる非公式な部分になぜ投資しないのか」というのがパフォーマンスサポートの着眼点です。
従来のトレーニングは、ある仕事をする際にどのような知識・スキルが不足しているか、求められるものと現状とのギャップに焦点を当て、それを埋めるよう教育設計がなされます。それに対してパフォーマンスサポートでは、パフォーマンスそのものをどう上げるかに焦点を当てて教育設計をするものであり、そこに大きな違いがあります。
たとえば、EPS(エレクトロニック・パフォーマンス・サポート)システムの最終的なゴールは、業務内容を理解していない人にも出社初日からパフォーマンスを上げさせることです。そのための方法論、ツールにはさまざまなものがありますが、e-Learningと関連させながら学習者に対して一体化できるような環境を整備することが必要でしょう。
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米国の動向を受けて、日本は今後どう変わっていくのでしょうか。上図はe-Learningのバリューチェーンです。とくに可能性の高い部分、たとえばHRD戦略策定フェーズでは、パフォーマンスを上げるという意味でビジネスプロセスマネジメントの考え方が必要になると思います。
また、汎用コンテンツとミックスする形でカスタマイズされたコンテンツがさらに増えるでしょう。これが進展すれば、個人のパフォーマンスを向上させる必要性からコンテンツはさらにパーソナライズドコンテンツに分割され、個人ベースで自由に組み替えができるものへとニーズが高まっていくのではないでしょうか。
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運用・展開フェーズでは、たとえばお客さまを訪問する段階で、お客さまの課題やその解決策、過去の対応など、個人のパフォーマンスを上げるために有用な情報がオンタイムで提供されるなど、パフォーマンスサポートやワークフロー、お客さまとの関係構築をベースとしたものが展開されるであろうと思います。そして、現在は未成熟な段階であるパフォーマンス評価の仕組みがさらに整備されていくでしょう。
学習の最終的なねらいとは、パフォーマンスを高めることであり、パフォーマンスの上がらない学習では意味がありません。当社もe-Learningを通じてお客さまのパフォーマンスサポートを展開していく考えです。今後はまさに、"パフォーマンス・ラーニング"がキーワードになっていくのではないかと思います。
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